ベルナール・ビュッフェ回顧展@パリ市立近代美術館

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ベルナール・ビュッフェ回顧展@パリ市立近代美術館へ

ビュッフェは大学の卒論で取り上げた画家。滞在中、パリで見れるなんて・・

まず、メトロのポスターの種類の多さに驚いた。私が見ただけでも4~5種類。関心の高さがうかがえる。ビュッフェ19歳、初個展での出品作「羽をむしられた若鶏」はポンピドゥ所蔵。

その画風から賛否両論の的となってきたビュッフェ、最期はリューマチを患い自ら命を絶ってしまう壮絶な人生を、絵の中に見た・・



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ビュッフェは1928年生まれのパリジャン。一緒に行った友達と「見た目も格好いいよね」と意見が一致。11歳の時に第二次大戦が始まる。5年後パリ解放、ただ一人の理解者だった母親を脳腫瘍で失うも、20歳にして国内最高の賞である批評家賞を受賞、彗星のごとく戦後のフランス画壇に登場した。



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第二次世界大戦の荒廃したパリに生きた画家、ビュッフェはまさに時代の証人。




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人気のピエロ、サーカスシリーズでは巨漢の富を得る。




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Je ne crois pas à l'inspiration.
印象的な直筆の言葉「私は直感やインスピレーションを信じない」

自分が見たものしか信じない。過酷な時代を生きた人(ビュッフェ)ならではの言葉。




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唯一無二のビュッフェのサイン。




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愛妻アナベルを描いた絵に昔から惹かれる。




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「数年にわたる戦争から復員したばかりの私は、感動して彼の絵の前に呆然と立ちつくしたことを思い出す。研ぎすまされた独特のフォルムと描線。白と黒と灰色を基調とした沈潜した色。その仮借なさ。匕首(あいくち)の鋭さ。悲哀の深さ。乾いた虚無。錆びた沈黙と詩情。そこに私は荒廃したフランスの戦後社会に対する告発と挑戦を感じた。当時のわれわれ青年を掩(おお)っていた敗戦による虚無感と無気力さのなかに、一筋の光芒を与えてくれたのが彼の絵であった。国土を何回も戦場にし、占領され、同胞相殺戮しあったフランス。その第2次世界大戦の激しい惨禍のなかから、このような感受性と表現力をもった年若き鬼才が生まれでたことに畏怖の念をいだいた。その表現力はまさしく、私の心の鬱々としたものに曙光を与えたのである。以来、私はビュフェの虜となった。無宗教の私に、一つの光明と進路を与えてくれたのが、ほかならぬ彼のタブロオそのものだった。これが私のビュフェへの傾倒のはじまりである。」
岡野喜一郎著「ビュフェと私」1978年4月

同じ戦禍を生きた岡野氏の言葉には説得力がある。




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卒論を書くにあたり静岡のビュッフェ美術館にも数回行ったけど、今回初めて見る絵がたくさんあった。




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教授から「なぜこんな暗い絵が好きなのか?」と聞かれたことをふと思い出した。でも、暗い絵とはむしろ彩やかな色彩の奥にあると今回実感した。




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早熟であまりにも売れすぎたアーティストの最期は・・晩年の骸骨の絵を見れば一目瞭然。でも、その光と影に惹かれたのだ・・と、暮れ行くパリをみて再確認した一日だった。




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形を変えながら繰り返される歴史。その中で「自分に出来ることはなんだろう・・」卒論にも同じことを書いていたように記憶している。



by cocobear-riko | 2016-11-18 18:31 | 8e | Comments(0)

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