私的ルーヴル八十八宝めぐり①古代エジプト篇
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2004年1月発行
芸術新潮「精選!ルーヴル八十八宝めぐり」

美術史家の小池寿子さんがルーヴルの常設展示3万6000点から88点を選りすぐり、古代エジプトからドラクロワまで、効率よく楽しく回れるよう秘密の急所を伝授した永久保存版。私のルーヴル鑑賞におけるバイブル。そのバイブルをナビに、今春、私的ルーヴル八十八宝めぐりを実現(12年ごし・・)!

本来ならパリの街角動物のまとめが先だけど、12年ごしとあっては・・ここはルーヴルを優先!余韻に浸りつつ健忘録。

結局、2日間に渡り、88のうち74の宝をみることができた・・




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上≪拍子木≫
第18王朝(紀元前1550年~前1295年)
カバの骨

下≪ハトホル女神の拍子木≫
中・新王国時代(紀元前2033年~前1070年)
カバの骨

日本はちょうど縄文時代、骨角器もつくられている。でもこの拍子木の美しさと言ったら。。エジプト美術の中でも優美繊細な一品。カバの骨で出来ていて、実用品(楽器のような役割)だったよう。ミイラの上を飛ぶバー(鳥)、バーはかつて住んでいた肉体かどうかを、その顔によって識別し蘇生する。顔を施すことは大事なことだったのだ。




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≪ラムセス三世の石棺≫
第20王朝(紀元前1184年~前1153年)
桃色花岡岩

なんて大きな石棺!「大きさ」は古代にとって重要な美の概念だったらしい。石棺には上記のバーが施されている。ここは"オリシス神のクリプト(地下祭室)"と呼ばれる葬礼美術が並ぶ一角、鎮座しているはずの冥界の王オシリスは残念ながら不在だった。。オリシスは弟のセトに殺害され、妹(妻でもある)のイシスに助けられて蘇生した。




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≪タムトネフェレトのミイラ棺・覆い≫
第21王朝(紀元前1070年~前945年)
木彫彩色

歌姫のミイラを納めた棺はマトリョ―シカ状!カルナック神殿アメン神(空気の神)の歌姫、クレオパトラとシーザーも訪れたことのある神殿で美声を響かせていた。手厚く葬られた様子を見ると、重要な地位にあったことが解る。カルナック神殿というとアガサ・クリスティ原作の映画「ナイル殺人事件」を思い出す。




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≪ネプケドの死者の書≫
第18王朝末期(紀元前1391年~前1353年)
パプルス

古代エジプトの巻物状の葬儀文書。副葬品のひとつ。ネプケドなる人物が母と娘を従えて冥界の王オシリスに供物を捧げ、死後の世界への旅立ちの安全祈願をしているシーンが描かれている。エジプト美術は死後の世界に捧げられた美術なのかもしれない・・と小池さん。今回、フランスの友達とも「人が最終的に行き着くところはアート」と話をしていたところ。誰も死後の世界を知らない。いつの世も誰もが死後の案寧を願い祈っている。多大なエレルギーを投じてつくられたエジプト美術の死後の世界感に、これからも誰しもが魅せられるだろう。




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≪ホルスに乳をあたえるイシス女神≫
末期王朝時代(紀元前664年~前332年)
青銅

前記したように、イシスは冥界の王オシリスの妹にして妻。幼子イエスの授乳する聖母マリア像の原型という説もある。




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≪猫のミイラ≫
末期王朝時代(紀元前644年~前332年)

可愛がっていた愛猫もミイラ化する習慣があった。私はどうもこのファラオ時代のコーナーは怖いもの見たさ・・得意ではない(でも呼ばれるのだ)・・何かに憑かれそうでそわそわする。。




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≪アメンヘテプ四世巨像≫
第18王朝(紀元前1364年~前1360年)
砂岩

カルナクにあるアメン神殿の東に位置する建造物から出土。アメンヘテプ四世は、神と人の唯一の仲介人、王の姿をした太陽神とされた。中学の歴史の自由ノートにこの像を描いたことを思い出す。このノートを提出すると通知表の評価が上がった。冊数が増すごとにまとめることが好きになった。まとめ癖はこれがキッカケ。東野先生はもういない。今更ながら多謝・・




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≪タペレトの碑≫
第22王朝(紀元前900年~前800年)
木に彩色

特別展「Mythes fondateurs. D’Hercule à Dark Vador(神話を探して。ヘラクレスからダースベイダー)」に移住していた。見落とすところだった。太陽を表すラ―神(ハヤブサの頭を持つ)と太陽光線を表す百合の花、今も色褪せない色彩と形象にビックリ。表には太陽を象徴するラー神、裏面には太陽が沈む姿を象徴するアトゥム神が描かれている。太陽と月、生と死、相反する二面性は永遠のテーマだと思わせてくれる。




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≪神妻カロママ立像≫
第22王朝(紀元前875年~前850年)
ブロンズに金・銀・エレクトラム象嵌

まずこのフォルムと伊藤若冲の鶏を思わせる綿密な描写に魅了される。手にはシストルム(マラカスのような楽器)を持っていたとされる。台座には「アメン・ラー神から愛されたアメン神の妻、神聖な崇拝者」とあり、生涯神に仕え、シストルムを振ってアメン神を喜ばせていたことがわかる。でもその憂いを秘めた目には、やがて訪れる王国の落日が映っている・・と小池さん。"カロママ"は名前ではなく役職名。ちょっとつくりたくなってきたw


by cocobear-riko | 2016-04-14 00:45 | Comments(0)
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Mariko TSURUTA, je suis créatrice d'animaux, d'ours en peluche. テディベア、動物作家の鶴田眞利子です。Tous droits reserves copyright(c) 1995-2017 Coquin Coquine Bear 
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